[編集] 文字種の使い分け
大部分の日本語文は漢字とひらがなで書かれ、一部にカタカナが混在して使用される。
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漢字が使われる場面は、例えば:
名詞
形容詞と動詞の語幹
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日本の人名
等である。詳細については漢字を参照。
ひらがなが使われる場面は、例えば:
セミナー
形容詞と動詞の活用語尾(送り仮名)
助詞
漢字を持たない(あるいは漢字では読みづらい)日本語の単語
漢字の読み方の指示(振り仮名)
等である。詳細についてはひらがなを参照。
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カタカナが使われる場面は、例えば:
外国の単語、名前
擬態語
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強調。英語ではイタリック体で書くような場面
技術、科学用語(生物の名前。「ヒト」、「ネコ」等)
等である。詳細についてはカタカナを参照。生物名のカタカナ表記の起源については和名を参照。
ローマ字が使われる場面は、例えば:
データ復旧
アクロニム、イニシャル。例えばNATO(「北大西洋条約機構 North Atlantic Treaty Organisation」のアクロニム)
日本国外で通用するように意図した場合。例えば名刺やパスポートの名前
会社名、ブランド名、製品名等。日本国内外問わず用いられる
日本語の文脈中にいきなり外国の単語やフレーズを挿入する場合。日本人向け民生品の宣伝等
等である。詳細についてはローマ字を参照。
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しかしながら、上記の規則には多くの例外がある。例えば日本人の名前には漢字、ひらがな、カタカナの全てが用いられることがある。
加えて、横書きの文書ではアラビア数字が普通は用いられる。ラテン文字はアクロニムや国際単位系の単位等に用いられる。
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[編集] 文字種の意図的な選択
ひらがな、カタカナ、ローマ字のいずれでも、全ての日本語の単語を表記することができる。また、殆どの単語には漢字表記がある。どの文字種を用いるかは多くの要因によって決まる。
漢字表記によって異なる意味を表す場合もある(「熱い」「厚い」、「好み」「木の実」等)。場合によっては漢字の書き分けが難しく、誤記するよりましだというのでひらがなで表記する人もいる。
[編集] 表記する方向
詳細は縦書きと横書きを参照
伝統的には日本語は「縦書き」で書かれた。文書は縦行に分かれ、各縦行は上から下に、縦行のあいだでは右から左に書かれる。ある縦行の最下部まで読み進んだら、次は左隣の縦行の最上部に移動することになる。これは中国の文と同じ順序である。
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現代の日本語は他の方法も採用している。「横書き」といわれるもので、英語などのヨーロッパ諸語と同一の方法である。左から右に書かれた横向きの行が上から下に並んでいる。
[編集] 初期の日本語表記系
現在の日本語表記系は中国語の古典文語である漢文の書き方が伝えられた4世紀にまで遡る。神代文字と称する更に古い表記法が発見されたともいわれているが、それらは絵文字の様であったり、ルーン文字に似ていたり、ハングルに酷似していたりする。これらの内で真正なものと結論づけられたものは一つもなく、中国語の伝来以前に日本に文字があった証拠は全く存在しない。神代文字の一部はこのサイトで見られる。
最初のうちは中国の文字で日本語を表記することはなく、読み書きには漢文の能力を必要とした。それどころか、漢文の読み下しというシステムが考案され、中国の文字(漢字)を用い、正則のあるいは日本語の影響を受けた変則的な漢文を、日本語として読む技術が考案され、しばしばそのためのヒントとなる返り点などの符号を漢字の脇に表記するようになった。712年より以前に編纂されたと考えられている日本における最初期の文献「古事記」は漢文で書かれている。日本の中等教育では、現在でも漢文の初歩を教えている。
[編集] 万葉仮名と訓読み
万葉仮名が開発されるに及んで、漸く日本語を表記するシステムが得られた。これは漢字を表意文字ではなく表音文字として(中国音から音を得て)用いるものである。万葉仮名ははじめ詩を記録するのに用いられ、例えば759年以前に編纂された万葉集にみられる。万葉仮名という名前もこの詩集に由来する。ひらがなは万葉仮名から発達したものである。また、漢文の読み下しを助けるために横に付した符号のうち、発音記号として使った漢字からカタカナが発達した。
大量の単語と概念が中国から日本に伝わったので、日本語には対応する単語がない場合が多かった。そのため、それらの単語は直接中国語から日本語にとり入れられ、中国語に似た発音で用いられるようになった。この中国語由来の読み方が「音読み」であり、その種の単語は漢語と呼ばれる。同時に、日本語に対応する単語がある場合にも、次第に漢字を表記に用い、本来の日本語に翻訳して発音するようになった。この日本語由来の読み方が「訓読み」である。
[編集] 音読みと訓読み
一個の漢字には、一つまたは複数の「音読み」と「訓読み」があることが多い(ない場合もある)。まず、日本に様々な時代の、様々な地域の中国語の発音が伝えられたために、ひとつの漢字に当てられている音読みに複数のものがある。呉音、漢音、唐音といったものである。これは特定の時代の特定の地域では通常1つの発音しか認めてこなかった中国や朝鮮半島など他の漢字を受容した地域には見られない慣習である。
次に、ひとつの漢語の持つ意味の広がりが複数の日本語の単語の概念にまたがっていることがあるため、ひとつの漢字に複数の訓読みが生じることがある。「主」という漢字に「おも」、「ぬし」、「あるじ」といった訓読みが当てられているといった例が挙げられる。こうして、一つの漢字の読みが、用いられる単語によっていくつも存在する場合が生じるわけである。例えば、「行」は「行く」の「い」(または「ゆ」)であり、「行う」の「おこな」であり、熟語の「行列」では「ぎょう」であり、単語「銀行」では「こう」であり、「行灯」では「あん」である。
送り仮名は漢字で始まる動詞や形容詞の活用語尾を示すために、振り仮名は漢字の読みの曖昧さを解消するために用いられる。
[編集] 教養語としての漢語
言語学者は日本語が漢字を借用し中国語の単語を日本語にとりいれたことを、時として英語に対するノルマン人のブリテン諸島征服による影響に匹敵するとする。英語と同様、日本語には語源を異にした多くの同義語がある。中国起源のものと日本起源のものとである。また、中国起源の単語はよりフォーマルで知的な文脈で用いられ、これはヨーロッパ言語を用いる国や地域の人々がラテン語由来の単語をしばしば上流の証として用いるのと似ている。
[編集] 日本語表記法の変化
[編集] 明治時代
明治の大変革は暫くの間日本語の表記には影響を与えなかった。しかし教育制度の変化に伴い、大量の新語が現れ、また文字を読み書きできる国民が増加してくると言語そのものに変化が現れた。大量の新語は他の言語から持ち込まれたものもあれば、新しく作られたものもあった。言文一致運動が完勝を収め、歴史的ないし古典的な文体(文語体)にとってかわって口語体が広く用いられるようになった。日本語の書きづらさについて議論があり、1800年代の終わりには表記に用いる漢字の数を制限しようという意見が見られるようになった。外国語との接触によって、漢字を廃止してカナまたはローマ字のみを用いるようにしようという主張もあったが、これは支持されなかった。西洋語風の句読点が用いられるようになったのもこの頃である (Twine, 1991) 。
1900年に、文部省は日本語表記教育の改善を狙って3つの改革を行った:
ひらがなの字体を標準化し、それ以外を変体仮名として排除しようとした。
漢字の字母数制限。初等教育では1200字にしぼった。
実際の発音に合わなくなっていた漢語のかな表現(字音かな遣い)の改革
最初の二つは次第に広く受け入れられたが、最後の項目は保守層を中心に激しい反発を呼び、1908年に取り下げられることとなった (Seeley, 1991) 。
[編集] 第二次世界大戦前
1900年の改革が部分的に失敗したこととナショナリズムの勃興とが合わさり、日本語表記法の改良は進まなかった。漢字の制限については多くの要求があり、いくつかの新聞は自主的に漢字を減らして送り仮名を増やしたが、公的な支持はなく反対も多かった。